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ブログ

2016 年 7 月 7 日

一番美味しいものは何ですか その7 - 札幌市

 仕事柄、全国を旅する。各地で知り合った方からよく聞かれることが、この「全国で一番美味しいものは何ですか」という質問だ。一番と言われても、食べ物に好き嫌いのない私は、いうなればみんな美味しいので、一番と言われても困るわけだ。考え方を広げて例えばこの店はと、特徴のある店を私なりに紹介している。

 そういう意味で、今回はワインレストランで私の一番という意味でご紹介する。
 2013年7月の、私のブログをお読みいただきたい。親しい友人S氏が、交通事故に遭った。結果、せき髄損傷、下半身に障害が残った。このことで彼自身、そしてご家族は大変な思いをされた。それは他人の想像を絶することに違いない。まさに、人生が変わったのだ。
 あの時は、私自身もショックであった。当該ブログを今読み返すと、実に乱文である。整理がつかない気持ちがよく出ている。(というこの文章がおかしいか。)

 彼は、地元大手企業の理事。将来の役員候補であった。事故後、約1年で職場に復帰したが元の役職には着かず、さらに約1年で退職した。会社にとっても、社会的にも大いなる損失といえる。
 その彼がそれから約半年、昨年6月にワインレストランを開いた。奥様ともども料理やお酒には大いに興味があるので、いつかはお店をやってみたいという話を以前から聞いていた。ある意味でそれは夢の世界だったのだが、事故が現実に決断するきっかけになった。
 奥様の手料理で、ご主人がワインをチョイスしてくれる、常連のお客さまを相手にした路地裏のこじんまりとした店だと思ったら、場所は札幌すすきの、F45ビルという地元では超有名なソシアルビルの中。そこに客席45席、実にゆったりした広さの店を開いた。彼が車いすで移動できることも加味しての設計だろうが、席の数にしてはスペースが広い。
 名前は「PIN」。本人いわく自分の名字の一文字「品」を料理の一品、二品の「ぴん」と重ねて、おいしい料理を楽しみながら幸せな気分を味わっていただきたいということのようだ。

 彼ら夫婦は、飲食店の経営は未経験だ。これだけの規模の店だと、シェフやスタッフには相当の技量が必要だ。そう思ったら、いいスタッフが着いた。接客は、飲食がライフワークというしっかりした女性。そして、シェフがすごい。
 料理メニューは、ご夫婦のアイディアが活かされているという。キッシュ、ステーキ、パスタ、何を頼んでもレベルの高いものが出てくる。しかも、他の店ではないであろう印象の盛り付け、見せ方、そして美味しさだ。私のひいき目を差し引いても、相当にレベルが高い。
 例えば、シーザーサラダは一般的にはレタスなどの葉物野菜の上に、シーザードレッシングがかかっているものを想像する。ここでは根菜をスライスしたものにチーズをスライスしてちりばめ、自家製のドレッシングであえている。こんなシーザーサラダは見たことがない。

 札幌だから、私はもちろん毎日行くわけにもいかないが、毎日でも通いたくなる。料理と店の雰囲気がいい。現在の私のワインレストランのベストチョイス、一番おいしい店である。
 正直なところ、この規模の店が維持できるのか、開店当初は友人としてずいぶん心配したが、最近は予約が取りにくいレストランとして、話題になるほどだという。そのことを聞いて、心から安堵するし嬉しい限りである。
 札幌に行ったら、皆さんにも是非寄ってほしい店だ。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )