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2020 年 4 月 23 日

新型コロナウィルス騒動に思う その4 ― お金がない?

 新型コロナウィルスにより緊急事態宣言が発せられた。ニュースでは、営業を自粛した居酒屋さんの営業補償だとか、家賃が払えないのを法で何とかできないかとか、学校が休校になり子どもが毎日家にいるので親が2食しか食べられず困っているとか、大学生の13人に1人が退学を考えているとか、大騒ぎである。
 非常事態が1~2ヶ月でそこまで?と思う。この人たちには貯えがないのだろうか。いや、今の世の中、貯金がない人が多いらしいのだ。そもそも論、リスクへの感性がなさ過ぎる。

 私はかつて社会に出るにあたって親に言われた。社会に出たら必ず貯金をしなさいと。
 私の実家は決して裕福ではなかった。父はサラリーマンであったが、会社が繊維を扱っていたのでオイルショックの後は給料が遅配欠配、決して景気がよかったわけではなかったようだ。私と妹は3年違いで、高校、大学が私立だったので、入学金、授業料が同じタイミングでかかり、家計は親戚からの借金も得て苦労したらしい。
 そんなわけで、親から言われたのは、収入の20%は始めからないものと思って貯金をすること、余裕があったら貯金しようとしても結局できないことだ。新入社員の頃の正確なことは忘れてしまったが、手取り12万円ほどで2~3万円を貯金、つまり最初から9~10万円しかないと思えばいいのだ。アパートの家賃が共益費込みで4万円くらいだったので、それを除けばあとは自由に使える。贅沢さえしなければ、お酒も飲みに行けるわけだ。ボーナスは手取り20万円ほどだったが、さしあたって使うあてがなければ、80%は貯金した。20%はその月の自分へのご褒美。これは社会に出て40年以上を経た今でも私の目安である。

 もちろん使うときには使う。独身時代の貯金はコンポーネントステレオや車の購入などで使っているのでその都度ゼロになり、転職した29歳の時にはゼロではなかったが結局は多くは残らなかった。貯めてから使うのは私の人生の常識である。住宅ローン以外に借金したことはない。34歳の時の日産セフィーロもキャッシュだった。

 その後家庭を持った。20%は貯金し収入がゼロになっても6ヶ月は持ちこたえる、それが私の目安。今の会社を作った。会社の蓄えは個人ほど単純ではないが、収入がゼロでも6ヶ月は社員に給料を出せるのが私の目安だ。リスクに備えるということはそういうことではないか。その方法の一つが貯蓄であろう。

 冒頭に書いたように、たった1~2ヶ月の営業自粛で会社が成り立たない、家賃が払えない、たった1~2ヶ月の学校の休みで子どもに食事がさせられないとは、経営者として親としていかがなものかと思う。新聞には小さな子どもを抱えて、風俗で働いていた20歳代の女性の悲話も出ていた。その人がどのような人生を歩み、どうして風俗で働くことになったかは分からない。しかし単純な話、風俗産業の従業員であれば1ヶ月に数十万円、いや数百万円ほどの収入はあったのではないか。考え方の問題だろう。

 日本の貯蓄額の80%は65歳以上の人が持っているという。このことにはいろいろな意見があるが、単純にいえば豊かでない時代を過ごした人々が貯蓄をしているのである。豊かな生活が当たり前の若い人に備えがないとすれば、それもリスク管理への考え方の問題だ。毎月20%でも貯金しそれが貯蓄という備えとしてあれば、即補償、補償と国を当てにすることもないはずだ。
 とはいっても今回の新型コロナウィルス、私の会社にとっての影響は6ヶ月では終わりそうもない。さらにもう一段階上のリスクに対応しなければならない。そこからは企業経営者、子どもを守る親の知恵の見せ所である。

 “日本人よ、今こそ中島みゆきを聴こう”との特集記事が週刊現代にあった。「こんな時代もあったねと、いつか笑って話せるわ。だから今日はくよくよしないで、今日の風に吹かれましょう。」
 最後は何があっても運が良いと思うことだ。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )